疲れた社会人男女が出会い、名前のない気楽な関係を築いていくライトノベル『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』。
ブラック企業で働く主人公・山瀬冬が大学時代の元カノ・皆瀬糸と再会し、社会的枠組みから解放されるかのような時間を過ごしていくさまが描かれます。
本作は、現代社会の疲弊した大人たちへの癒やしをテーマとした作品です。
その魅力を紹介していきます。
概要
著者：持崎 湯葉 先生
イラスト：どうしま 先生
出版：ガガガ文庫(2022年11月18日)
登場人物紹介
山瀬冬(やませ ふゆ)
過酷な労働環境のゲーム開発会社で働くサラリーマン。
真面目で優しい性格だが、過重な仕事により疲弊している。
唯一の楽しみは大学時代の思い出。
元カノの糸との再会で、仕事のストレスを忘れることができるようになる。
皆瀬糸(みなせ いと)
冬の大学時代の元カノ。
一見華奢で可愛らしい容姿だが、家族のしがらみなどからたくましく生きている。
冬との出会いで心を癒やされ、自由で楽しい時間を過ごす。
あらすじ
たのしくて・気を遣わない・ラフな関係。
元カノと夜を共にした。ブラックな仕事に疲れた山瀬冬は、ある日大学時代の彼女・糸と再会し飲みに誘う。
愚痴や昔話に花を咲かせ、こういう友達関係もいいなと思っていた矢先、酒の勢いに呑まれてやってしまった。
後悔する冬だが、糸は「謝っちゃだめ」と真剣な表情で制す。「ちゃんとしようとか言わないでよ。ただ心地良いから一緒にいようよ」糸も疲れていたのだ、社会が強要する正しさや、大人としての不自由さに。
こうして二人は『仕事とか恋とか面倒なことは抜きで、ただ楽しいことだけをする』不思議な関係を結ぶ。
『恋人以上のことを、彼女じゃない君と。』裏表紙から
社会に疲れたアナタに贈る、癒やしとちょっとエッチな短編連作。
感想
この作品の魅力は、冬と糸、二人の関係性にあります。
本来ならば元カレと元カノということで、これ以上深い関係を持つことはないはずでした。
しかし、二人はふとした出来事をきっかけに肉体関係を持ってしまいます。
そこから、友人以上恋人未満という微妙な関係が始まるのです。
二人のやりとりは自由でOPENなもの。
学生のように気ままに過ごせる日々がうらやましく感じられました。
社会的な枠組みや人間関係の束縛から完全に開放されていく過程は、共感や癒しを感じさせます。
こんなに楽しそうに過ごしている二人を見ているだけで、自分までホッとできる。そんな作品なのです。
ぜひみなさんも、山瀬冬と皆瀬糸の物語を通じて、現実逃避を満喫してください。
きっと疲れた心がリフレッシュされることでしょう。
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